曾木の滝と水俣病の資料館を見てきた – ソラシドエアで行く、鹿児島・熊本巡りの旅:1日目

2024年の旅行記

飛行機の予約を見て「そういえば鹿児島に行く予定があったな」というレベルで何も考えてない旅行です。とりあえずレンタカーと宿は取ってあるので、あとはノープランでぶらり旅で巡ろうかな。天気予報を調べると土曜日は曇りか雨で、日曜日は晴れ。海の方は日曜日に行こう。

7時25分発の飛行機で羽田空港から鹿児島空港へ

今日の飛行機は朝7時25分発。始発で羽田空港に行くと6時45分くらいに到着できるので、結構ギリギリの時間だったりします。まあLCCじゃないし、物理的に間に合うならば乗れるんだろうけど。

上野から浜松町まで(東北本線・東海道本線)

  • 555B
  • 上野→東京:東北本線
  • 東京→浜松町:東海道本線
  • 各駅停車
  • 大宮→磯子
  • 上野→浜松町
  • 5時57分→6時11分

家から始発で来て間に合う最速の列車に乗車。もっと最寄りの始発が早ければいいなと思うんだけど、これ以上の早発は厳しいんだろうなぁ。もしくは常磐線の乗り継ぎがもっと良くなれば……。

浜松町で階段が近いのは7号車の2~3ドア辺り。乗り換え時間が短くて「チャレンジ」状態なので、出来る限り近い場所を選んで乗車します。

浜松町から羽田空港第2ターミナルまで(東京モノレール羽田空港線)

  • 浜松町→羽田空港:東京モノレール羽田空港線
  • 空港快速
  • 浜松町→羽田空港(第2ターミナル)
  • 浜松町→羽田空港(第2ターミナル)
  • 6時12分→6時30分

6時11分に到着する京浜東北線からダッシュして来たら、12分発の空港快速に間に合いました。でもタイミングによっては間に合わないこともあるので、これを当てにして飛行機を取るのは危険かな。

日の出でオレンジ色に染まるレインボーブリッジ。朝の東京モノレールの楽しみです。

パワーラウンジで小休憩

羽田空港で保安検査を通過して「パワーラウンジ」へ直行。トニックウォーターが飲みたい。

トニックウォーターとカプチーノ。ANA側のパワーラウンジは炭酸が色々増えて嬉しい。

羽田空港から鹿児島空港まで(ソラシドエア/SNA71便)

パワーラウンジを5分前くらいに出て搭乗口へ。搭乗口前に着いたのは2分前だけど、間に合っていれば問題ありません。ゆっくり歩いてきても余裕な距離感です。

座席指定をすっかり忘れていたら、真ん中の席しか空いていませんでした。予約してすぐに座席指定しないとだったな。

第2ターミナルの50番以降は、ソラシドエアやAIRDOの飛行機が出航する場所。ロコンジェットは……居なさそう。

機内ではホットコーヒーとオリジナルの「アゴユズスープ」をオーダー。ほっと落ち着く味です。

鹿児島空港のラウンジ「菜の花」でひとやすみ

鹿児島空港に到着後、空港内の端にある「ラウンジ菜の花」にやってきました。制限エリア外にあるラウンジだけど、鹿児島空港は到着時も制限エリア内に出されるから利点が薄い。

グレープフルーツジュースと大阿蘇牛乳。ここの牛乳は濃厚で美味しいので、ぜひ飲んでみてほしい。

空港の近くでレンタカーを借りて出発

鹿児島空港近くにある「ハッピーレンタカー」で車を借りて出発。以前も使用したレンタカー屋さんで、中古車だけど安くて良い。場合によってBluetoothすら付いて無かったりするのは注意かな。

日帰り温泉やランチが楽しめる「さがら温泉」

車を走らせていると「宮之城温泉」という温泉地に到着。側溝から湯気が出ているような温泉地で、日帰り温泉が無いかなぁ~と思っていたら発見。日帰り温泉の他、ランチなども楽しむことができる「さがら温泉」です。

入浴料は破格の100円で、入ると休憩スペースも完備。ウォーターサーバーも置いてあったので、入る前や入る後に冷たい水を飲むことができます。

温泉の成分表を見ると、硫黄泉のアルカリ性でpHは9.0だとか。いわゆる「美肌の湯」と呼ばれるタイプのお湯ですね。

脱衣所には返却式のロッカーも完備。貴重品を持ってきても安心して置いておけます。

浴室の前にも成分表が置いてありました。源泉の温度は45.9℃で、掛け流しにするにはちょうど良い……か少し温いかなという程度です。

浴室にはシャワーは無く、湯船には大きなミカン(かな)が浮かんでいました。入浴すると肌がトロトロになって、古い角質などを落としてくれるような感じ。湯上りにはさっぱりぽっかぽかです。良い温泉でした。

朝から何も食べてなかったのでお腹が空いたってことで、併設されているレストランで食事をいただいてきました。アジフライと小鉢、みそ汁がセットになった定食で600円。ボリューム満点でお腹も満足です。ごちそうさまでした。

食後は近くのスーパーマーケットでコーヒー牛乳を購入。やっぱり温泉の後はコレです。

大鶴湖に架かる石倉橋

ダム湖の「大鶴湖」の湖畔を通る鹿児島県道404号線を走っていると、きれいなオレンジ色の橋を発見。いったん停車して写真を撮ってきました。

橋の上から湖を眺めても良い雰囲気。天気が晴れていればもっと良い景色が見られそうです。

ダムに沈んでいる曾木発電所跡を見てきた

ここ大鶴湖には、明治時代に操業していた「曾木第一発電所」が沈んでいて、夏の時期であれば水位が低くなってみられるとか。でも今は12月、最も水位が高い時期です。

4月頃には良く見えるけど、12月頃にはほとんど見えませんという写真が並べられています。さて、12月21日の時点ではどうなっているのでしょうか。

答えがこれ。発電所の建物自体は全く見えずに上の部分だけしか見えませんでした。残念。

別の展望台からの景色。奥に見える橋の辺りに「曾木の滝」という有名な滝があるので行ってみることに。

「東洋のナイアガラ」とも呼ばれる「曽木の滝」へ

さきほどの「曽木第一発電所跡」の先に行くと、広い岩場に水が流れ落ちている「曽木の滝」があります。ここは東洋のナイアガラとも言われるスポットで、大迫力の滝を見ることが……今日はちょっと微妙?

大きく分けて2つの滝から成り立っている曽木の滝だけど、向かって左側の滝は水がたくさん流れていて迫力満点。水しぶきも上がっていて、晴れてたら虹とかできてそう。

全体的に見るとこんな感じ。雨は少し降っていたけど、全体的な水量が少ないのか迫力に欠けていたのは残念。これもやっぱり夏とかのが良いのかな。

縁結び・文筆の神とされる「清水神社」へ

曽木の滝の上には、縁結びや文筆の神とされる「清水神社」が鎮座しています。以前は違う場所にあったようだけど、曽木の滝の観光開発の影響で移動したんだとか。

入り口には大きなハートマークがあって、カップルとかで写真を撮ったら縁起が良さそう。結局今年も彼女できずに終わりそうな私です(?)。

清水神社の由緒。縁結びや安産・文筆の神として1000年以上の歴史がある神社で、祀られているのは稲荷大明神の分霊らしい。

基本的に無人の神社で、お守りやおみくじなどは集金箱に入れる形。なのでぴったり小銭がないと入手できません(多い分には良いんだろうけど……)。

そしてこの社殿の裏に本殿らしき建造物があるんだけど、裏側に行ったらなんかすごいパワーを感じた気がする。キツネさんでも居たのかな。

清水神社の下には、曽木第一発電所の導水路やヘッドタンクが残る

清水神社の下は通路となっていて、トンネルのような建造物が残っています。これは先ほどダムに沈んでいた「曽木第一発電所」の導水路の跡。

導水路の先にあるスペースは「ヘッドタンク」と呼ばれる場所。水の水量を調整したり砂やゴミなどの不純物を取り除く役割を果たしていました。

ヘッドタンクを出ると川内川へ出ます。ここも発電所の跡地みたいだけど、特に遺構などは見当たらず。また、この先は立ち入り禁止区域となっていました。

曽木の滝にいた時には雨は降ってなかったけど、出てしばらくしたらどしゃ降りに。ギリギリセーフだったのかも。

メチル水銀が原因の公害病「水俣病」が発生した水俣市へ

日本四大公害病を知っているでしょうか。四日市を中心に発生した「四日市ぜんそく」に富山県神通川流域で発生した「イタイイタイ病」、そして「水俣病」と「新潟水俣病」です。

どれも日本の高度経済成長期の負の遺産とも言われる病で、今回はその中でも「水俣病」が発生した熊本県水俣市へと行ってみました。

そもそも水俣病とは

そもそも水俣病とは何かという話ですが、原因となったのは「メチル水銀」と呼ばれる物質。この水銀を含んだ排水を「チッソ」が海に放出し、その海に生息していた魚を食べた人が次々に発症した病気。

症状としては手足のしびれのほか、歩行障害に言語障害などで、親がメチル水銀を多量に摂取したことで生まれてきた胎児が小児性マヒのような症状を持つ「胎児性水俣病」もありました。

水俣病研究センターと資料館に行ってきた

やってきたのは「エコパーク水俣」にある「国立水俣病総合研究センター」です。ここは環境省の施設となっていて、裏手にある市営の「水俣病資料館」と繋がっています。双方とも入館料は無料。

研究センターではメチル水銀が人体にどのような影響を及ぼすかや、体内蓄積量を減らす成分を調査したりなど、病気そのものを研究した展示がされています。

メチル水銀の毒性センサーや、メチル水銀から体を守る役割を持つ「含イオウ分子」の解説。読んでも分かるような分からないような。

ここからは水俣病自体の説明。発生した時期やメカニズムなどが解説されています。

港町であった水俣では、食事に魚介類が食べられることが多かったようで、家に帰る前に海で魚を捕まえてきて食事の材料にするなんてことも多かったらしい。そんな海産物に恵まれていた街だからこそ、多くの人が被害に遭ってしまいました。

ここからは「水銀」自体の解説コーナー。水銀というのは常温で液体として存在する金属で、以前は体温計や水銀燈などの日常生活に多く使われてきたけど、今では利用されることも少なくなっています。

展示コーナーにはさまざまな水銀化合物などが紹介されています。

場所を移動して水俣市立水俣病資料館へ。ここでは水俣病の歴史に関してを時系列で追うことができる資料が展示されています。

1956年に公式発見された水俣病。当初はネコが異常行動を示したり、海に魚が死んで浮かび上がってくるなど、「なにか起きている」という状況だったようです。

当時の新聞記事。ネコが居なくなってしまってネズミが急増して困っているという内容です。これは水俣病が公式発見されるより前の出来事で、それより前にも異変は現れていたということに。

水俣病患者を診察したカルテ。運動麻痺や運動障害などが発生しているが、知覚麻痺や熱などの症状はないなどの診断結果が記されています。また、地域性が強いことや沿岸部に患者が多いなどの情報も残されていました。

患者が多くなると原因を究明する動きが強まり、原因となったチッソ社内や大学機関などでも調査が実施されました。結果として水俣湾の魚介類が原因であることが判明しましたが、熊本大学の「有機水銀が原因」という結論に対してチッソ側は反論。

企業側の隠ぺいにも思える対応や、行政による魚介類の捕獲禁止などの規制が行われなかったこともあり、被害は広まってしまいました。

水俣病の根本的な治療方法はなく、薬によって症状を抑えることしかできません。これは水俣病患者が「半年」で使用した薬の空袋で、想像を絶する量を服薬していたことが想像されます。

また、水俣病に関しては患者自身の苦しみだけではなく「水俣」という場所自体が差別的な扱いを受けたこともありました。ここ最近では原発事故の起きた福島でも起きたことは記憶に新しいですが、いつの時代でも憶測で批判などを行う人は存在していたようです。

そうしたことから「水俣病の名前を変えよう」という動きもありましたが、水俣病を風化させてはならないという声もあり、現在でも使用され続けています(しかし「水俣」のサジェストが病気ばっかりなのは、ちょっとなと思う住民も多いとは思う)。

ちなみに今いる「水俣病資料館」は、メチル水銀の蓄積されたヘドロを埋め立てた場所。埋め立てによって現在は安全な海になったけど、失われたものは戻ってきません。

水俣病の発端となった「百聞排水口」

最後に水俣市にある「百聞排水口」へとやってきました。ここはチッソによるメチル水銀を含んだ排水が排出されていた場所で、水俣病の発端となった地点です。

今では整備されて生活排水が流れる場所となったせど、今でも献花などがされているようでした。

紫尾温泉にある「ちどり荘」に宿泊

本日の宿は鹿児島県さつま町にある「ちどり荘」です。ここは「神の湯」とも言われることがある「紫尾温泉」にある旅館で、源泉掛け流しの温泉が楽しめます。

入り口を入ると談笑スペース。温泉の湯の花などを販売しているコーナーも有りました。

トイレや洗面台、冷蔵庫などは共用。こういう旅館では良くあるスタイルです。

部屋は和室で冷暖房は完備

今回の部屋は和室の6畳でした。室内にはエアコンも設置されているので、好みの温度に調整して快適に過ごすことができます。

浴衣やバスタオル・フェイスタオルなど。こういう旅館のフェイスタオルってどんどん貯まってコレクションになりがち。

お湯が入った魔法瓶とテレビ、裏には空気清浄機が置いてありました。

鹿児島名物の「鳥刺し」もある夕食

今回は夕食がグレードアップとなるプランで予約。天ぷらをはじめ、煮物や川魚の塩焼きなどが並びます。

天ぷらはカボチャやピーマンなどの野菜のほか、エビもありました。

川魚の塩焼き。名前を聞き忘れてしまったんだけど、ヤマメとかだろうか。アユじゃなさそうに見える。

そしてお刺身は魚……じゃなくて鶏肉です。一般的には鶏肉の生食はNGだけど、鹿児島県や宮崎県などでは古くから食べられてきたこともあり、独自の衛生基準を持って鳥刺しが提供されています。

柔らかくて美味しいんだけど、1週間くらいはちょっとドキドキして過ごさないとならない(鶏肉の食中毒であるカンピロバクターの潜伏期間は3〜5日程度と長めのため)。

グレードアッププランに付いてきたウナギのかば焼き。そのまま食べてみたけども、ちょっとしょっぱいな……ってことで白米をもらってきました。

ホカホカのご飯にかば焼きを乗せていただきます。贅沢な気分でお腹いっぱいです。ごちそうさまでした。

内湯と露天風呂がある源泉かけ流しの温泉

温泉は源泉かけ流しの天然温泉。アルカリ性のトロトロしたお湯が特徴です。

露天風呂。内湯に比べると泉温が低めなので、冬場だとちょっと寒いかも。

温泉成分表です。源泉温度は50℃ほどで掛け流しにはちょうど良い温度。泉質は「アルカリ性単純硫黄温泉」で、pH9.5と結構高め。お肌がすべすべになる美肌の湯です。

明日は長島に行って海を眺めてきたい

今日はあんまり天気が良くなかったけど、明日は良い天気の予報。以前から鹿児島県で行ってみたかった「長島」へと行ってみようかなと思います。長島は鹿児島県北西部にある島で、天草に向かい合っている場所。良い景色が見られたらいいな。

長島からの絶景を見て、永野金山の歴史を訪ねた - ソラシドエアで行く、鹿児島・熊本巡りの旅:2日目
今日は良いお天気なので長島からの景色を堪能。お魚は食べられなかったけど、最後には美味しい「黒豚とんかつ」を食べられました。

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